1 小説が現実化する その2

(前回のつづき)

そんな彼女の前に現れたのが、頭もいいし、顔もいいけど、

事故で足を怪我して、一年留年したという三年生の男子のトーヤくん。

同じ演劇部の先輩です。
そのトーヤくんはとてもネクラで、とにかく、フフンと世の中を冷ややかに見るはみ出し者。

なにしろ、自分一人がクラスの中で一歳年上で、しかも運動が苦手なので、

事故以前はなんの劣等感もなかった彼が、

今やすっかりと劣等感に浸ってしまい、ネクラになってしまったのです。

出版社の選考の書評に

「いまどき、ネクラという言葉は使いません。

もっと高校生に合う言葉を使ってください」とあったのですが、(@_@;)

ほかに言葉が思いつかないので、ネクラという言葉を使わせていただきます(^_^;)

そのネクラの彼をなんとか明るく立ち直らせたいと思ったアミは、

自分が立ち直るために考えてきたいろいろな考え方を、

きちんと体系化して、トーヤくんにひとつひとつ教えます。

たとえば、試験の点数が悪いときにはこう、
人に責められる悪夢を見た時はこう。
それから、自分の容姿やアイデンティティがつまらないと感じた時にはこう。
…などなど。

アミは、その立ち直りの方法を「立ち直り学」と命名し、

いつも「私は立ち直り学の開祖!」と言って、自分を勇気づけるのです。

アレ? お読みの皆さんは、だんだんとピンときましたか?

続きはまた明日。