(前回のつづき)
そんな彼女の前に現れたのが、頭もいいし、顔もいいけど、
事故で足を怪我して、一年留年したという三年生の男子のトーヤくん。
同じ演劇部の先輩です。
そのトーヤくんはとてもネクラで、とにかく、フフンと世の中を冷ややかに見るはみ出し者。
なにしろ、自分一人がクラスの中で一歳年上で、しかも運動が苦手なので、
事故以前はなんの劣等感もなかった彼が、
今やすっかりと劣等感に浸ってしまい、ネクラになってしまったのです。
出版社の選考の書評に
「いまどき、ネクラという言葉は使いません。
もっと高校生に合う言葉を使ってください」とあったのですが、(@_@;)
ほかに言葉が思いつかないので、ネクラという言葉を使わせていただきます(^_^;)
そのネクラの彼をなんとか明るく立ち直らせたいと思ったアミは、
自分が立ち直るために考えてきたいろいろな考え方を、
きちんと体系化して、トーヤくんにひとつひとつ教えます。
たとえば、試験の点数が悪いときにはこう、
人に責められる悪夢を見た時はこう。
それから、自分の容姿やアイデンティティがつまらないと感じた時にはこう。
…などなど。
アミは、その立ち直りの方法を「立ち直り学」と命名し、
いつも「私は立ち直り学の開祖!」と言って、自分を勇気づけるのです。
アレ? お読みの皆さんは、だんだんとピンときましたか?
続きはまた明日。