(前回のつづき)
それから20年弱の時が経って、50歳のとき、
私は実際に「TAW理論」を完成させます。そのとき、あの小説を思い出したのでした。
20年前に私が創り出したアミは、50歳の私そのものでした。
私はいつのまにか「立ち直り学の開祖!」となっていたのです。
そして、人生をつらいものだと思っている人、運命を変えたい人、自立したい人たちに、いまやTAWを教えています。
小説を書いていたころは、毎晩小説の登場人物に感情移入して、わがことのように感情を味わっていました。
それは、頭の中で描いたイメージが現実化する、とても大きなエネルギーとなっていたのです。
もともと、小説を書く原動力は、自分自身の3歳の体験で、そして、それが50歳の私になる種を創っていたのです。
それが、30代で小説を書くことで、確固たるものになったのです。
人生は、完璧なシナリオでつくられていると、私は思います。
当時の自分にはわからなくても、誰にも完璧なシナリオがあって、
その上で出来事が生じていて、誰もが本当に生きたい人生を生きるようにできているのだと思います。
小説では、アミがVサインをしたあと、後日モトカノがアミに会いに来ます。そしてこう言います。
「アミちゃんを見て、本当に驚いたわ。でも、すごいと思った。
私もそんなふうな生き方をしたいと心から思ったの。
だから、もうトーヤにくっついて生きる生き方はやめたの。私は自分の力で強く生きる!」
アミは心底うれしく思います。自分の生き方が、人の生き方を変えたのです。
小説はここで終わりますが、私の心の中には続きがありました。
それは、トーヤはMIT(マサチューセッツ工科大学)に入学し、アメリカでアミと暮らすという続きです。
…そして、現在私はアメリカに住んでいるのです。
あなたが心に描いたあなた自身の小説は、いつか必ず現実化します。
それは、最後には誰でも大成功するストーリーなのです。
なぜなら、自分が生まれる前に決めたからです。
ただ、そこにたどり着くまで、どれだけ自分を信じられるか。
難しいのは、それだけなのでしょう。